キム・チュイさんは1968年にベトナムのサイゴンで生まれ、ベトナム戦争時に10歳で家族と故国を脱出し、カナダに移住しました。モントリオール大学を卒業したあとは、弁護士や通訳などさまざまな職業を経て現在は作家として活躍していらっしゃいます。自身の難民としての経験を元にした自伝小説『小川』はカナダ総督文学賞をはじめ数々の文学賞を受賞し、現在10か国語以上に翻訳されています。
キム・チュイさんは今回、自身が難民としてカナダに避難してくるまでとそこからの人生での経験を講演会でお話ししてくださいました。
特に心に残ったのは、たくさんの困難を乗り越えてたどり着いたカナダでのエピソードです。到着したときには身も心もボロボロだったのに、優しく抱き締めてくれたカナダの人々とカナダという国に恋に落ち、言語を学び貢献したいと思うようになったがそれは当然のことだったという言葉がすごく印象に残っています。
非日常の生活と数えきれない困難を経験しても、自分を受け入れ、助けてくれた国のために恩返しをし、同時に自分の過去を小説や講演会などで伝えていくことで世界に平和を発信していくキム・チュイさんの姿勢に感銘を受けました。(国際交流学科 2年 H.C. )