グローバル社会コースのネパール研修(2020年2月5-12日)

グローバル社会コースでは、Project Planning for International Cooperationという授業の一環で、春季休暇中の2月5日〜12日にネパールでの研修を行いました。現地の大学であるトリブバン大学の工学部建築学科の学生とカトマンズのheritage trailのプロジェクトに関する意見交換、インタビュー、探察をしてまいりました。

渡航準備としては、現地での活動企画を進めながら、ネパールの地理、歴史、文化、建築、政治、経済、開発課題、インドや中国との関係について学び、トリブバン大学の学生とスカイプやSNS、メールリストを使って対話をしたり、カトマンズ市が中心となってトリブバン大学やユネスコが協力するheritage trailについて知識を深めたりしました。

カトマンズ盆地には、首都カトマンズの他にも15世紀から19世紀までは国であった二つの旧都があります。それぞれパタン、バクタプールの旧都ですが、研修の前半では主にカトマンズとバクタプールの街を、先生や学生、ガイドや現地在住の都市計画家の方と共に散策しました。それぞれの都には意図的に他の都とは違った産品がつくられ、建築にも特徴の違いは現れていましたが、どの都も建物にネパール仏教やヒンズー教の教えが深く影響を及ぼしているのが共通して感じられることでありました。また、大震災後に中国、アメリカ、日本がそれぞれ援助して修復された・修復中の建造物を見学し説明を受けた際には、二国間や多国間で抱える援助に関する問題点についても気づくことができました。

研修中盤ではネパールの学生と共に、heritage trailに関する現地住民の方がたの意識調査を行い、各班で気づいたことを共有し合いました。現地の方がたの声を聞くことは、取り入れた情報と結びつけることによってより学びを深めるとても貴重な体験でありました。後半では、世界遺産であるカトマンズ盆地のチャングナラヤン、ボーダナート、パシュパティナートやパタンを訪れました。ネワール様式建築の特徴の一つである緻密に作られている木彫りの窓枠などに感動しながら、巡礼者たちが祈る姿を見て信仰の中で生活しているネパール人の日常を垣間見ることができました。

研修中にはまた、日本国大使や大使館員の方がたとの意見交換会、UNESCOオフィスへの訪問、ネパール政府の方がたによるボーダナート案内といった貴重な機会を得て、ネパールの多民族性と国民性、開発問題、震災復興の取り組みなどについて知り、さまざまな視点から見たネパールを感じました。

最初は言語(英語)の面で緊張もあった現地の学生との交流も、彼らの表面的ではない真の温かさのおかげで打ち解けることができ、プロジェクトに関することから私生活についてまで多くの話をしました。短い期間ではありましたが、実り多い有意義な時間を過ごせたことを今後の活動にも活かしていきたいと思います。

(グローバル社会コース 国際文化協力ゼミ I.H, W.F, N.M)

joint research project with friends in Nepal

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